【コラム】労働法(令和7年4月1日施行の育児関係法改正について)

今年も労働法分野では、育児、介護、年金など、今年も法改正や施行が相次いでいます。

経営者や労務担当の皆様は、他の業務にも追われつつ、会社が法律に従ったあるべき姿でいられるよう日々尽力しておられると思います。

今回は、令和7年4月1日施行の育児休業に関する法改正を確認したいと思います。

「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」(以下、法令名省略)の改正となります。

 

<①子の看護休暇の見直し>

・対象が、「小学校就学の始期に達するまで」から「小学校第3学年修了前」となりました。(第16条の2第1項)

・取得事由の中に、「感染症に伴う学級閉鎖等」「入園(入学)式、卒園式」も含まれるようになりました。(第16条の2第1項、施行規則33条・33条の2)

・労使協定により継続雇用期間6か月未満の労働者を除外できる旨の規定が廃止されることとなりました。(第16条の第2項→第6条1項ただし書については第2号のみ準用)

・名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」になりました。

 

<②残業免除の対象拡大>

・請求可能となる労働者の範囲が、「3歳に満たない子を養育する労働者」から「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」になりました。(第16条の8)

 

<③短時間勤務制度(3歳未満)の代替措置にテレワークを追加>

・3歳未満の子を養育する労働者が短時間勤務制度を講ずることが困難場合の代替措置の選択肢の1つにテレワークが追加されました。(第23条第2項)

 

<④育児のためのテレワークの導入>

・3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるように措置を講ずることが事業主の努力義務となりました。(第24条第2項)

 

<⑤育児休業取得状況の公表義務適用拡大>

・育児休業取得状況の公表義務の対象となる企業の規模が、「常時雇用する労働者の数が1000人を超える事業主」から「常時雇用する労働者の数が300人を超える事業主」となりました。(第22条の2)

 

以上です。

このほか、同じ育児関連でも令和7年10月1日施行のもの、介護関連の法改正、高齢者雇用に関する法改正など、様々な改正が行われています。

経営者の皆様におかれましては、特に労働法関係の改正について、いつの間にか改正されていて追いつかないとならないよう、こまめに専門家のリーガルチェック等を受けることをお勧め致します。

(西原宗勲)